2023/2/23

大切な日

2月23日は、世界で一番敬愛する兄の誕生日、そして大好きだった祖父の命日という大切な日です。

 

2月21日、5年前だと息子大洋の出産予定日だった日、僕の海の人生で一番危機的な出来事がありました。

 

先に言うと、僕自身は練習の最後、大波に巻かれ、何度も海の中を回転し、リーフ内のカレント(離岸流)につかまり40分程寒さの中泳ぎ続け、一緒に練習していた友達の翔太のゴール姿が見え、何とか力を尽くして近くのイカダに這い上がり、電話をして助けてもらいました。

そして今夏の世界大会に向けて一昨年手配し、昨夏受け取ったばかりの約70万円するモロカイアンリミテッドボードと大切なパドルを海の彼方に無くしました。

僕自身も低体温による痙攣と身体を打撲し、今は腫れも治まってきましたが、逆にこの数日は当日感じていなかった交通事故の時のような痛みを感じながら日常に戻ってきました。

 

 

色々と振り返ること、考えることはもちろん山ほどあり、物理的経済的に失った物も大きくありますが、それでもこの命は「生かされた」のだと、時間が経つにつれ、より深く考えさせられています。

 

家に戻って、保育園で誕生会を終え、もうすぐ5歳になる子どもの笑顔を見た時に、より一層そう想いました。

 

 

僕は昨夏からの自分を取り戻すのに必死でした。

心身共に充実していた2021年の自分を懸命に追っていました。

失ったモノを取り戻したくて、今年の世界選手権で、自分の立てた目標に向かって真剣に取り組むことで払拭できるような気でいました。

理解していたつもりでいましたが、その大きな目標を目指したが故に、海を渡る「レース」と海を渡る「意味」を霞ませ、見失っていたとこの数日の中で感じています。

練習自体は、28km=2時間20分設定の練習を、2時間16分で漕ぎ終え、身体にも余裕を残し、内容としては良かった。

しかし、練習は陸を無事に踏んでこそ終わりで、最後のリーフを越えるにあたって、色々と判断ミスしたことがあったのが事実。

 

 

「今回の経験はやらせようと思ってもできない、経験しようと思ってもできる事ではない、そしてこの2年間真剣に翔太をコーチしてきた日々の積み重ねが、最後、兵後を救ったんだ」と、大先輩は言ってくれました。

 

病気で自分の命の灯火さえも消してしまいそうになっていたような僕に、この先何が出来るんだろう?

この半年ずっと自分に問いかけていた事でした。

 

病気になってから、僕に優しさをくれる人達と新しく出会いました。

離れていった人もいるけど、変わらず接してくれる人もいます。

僕を求めてくれる人が出来ました。

当たり前のようになっていた、尊い喜びの日々を家族がくれています。

 

今夏のモロカイ世界選手権に向けてのアプローチは、まだ整理が出来ていません。

それでもこの経験を今後どう活かして、自分の針路を図るかが、生かされた命の答えであり、使命だと受け止めています。

「何も咲かない寒い日は 下へ下へと根を伸ばせ やがて大きな花が咲く」

 

2023/2/23

切れたリーシュと失くしたパドルが色んな方々のおかげで新調、漕ぎ出すことができます。

223の数字は、今までも大切な日だったけど、2023年、2と2と3が続くこの数字、今の僕の環境を見渡すと特に大きな意味のある数字だと思っています。

これから時間が進むにつれ、また酷く気持ちを傷める日々との闘いがくると思います。

前に進むことだけに価値を見出さず、後ろに下がることの価値と深い意味を知って、人として、そして親として成長していきたい!